近年、我が国における「性とこころ」の多様化には目を見張るものがあります。かつて、西欧の伝統社会では「生殖に結びつかない性行動は全て悪徳とする」とされていました。しかし、現代においては人間の性行動は何をもって正常とし、何を持って異常とするか明確に二分できるものではなく、様々な議論が起こっています。また、現代人の「性とこころ」を取り巻く現象を見るとき、例えば、晩婚化や非婚化、性嗜好、性犯罪や児童ポルノ、児童への性的虐待、日本でも市民権を少しずつ得てきた性同一性障害や同性愛、人間の性行動に関する脳科学の発展など、その様相は日々変化しています。
このような状況の中、本学会では、大きく分けて以下の4点を対象とし、学際的に幅広く取り扱っていきたいと思います。
1.
性の歴史と社会と文化
2.
性と依存症
3.
ジェンダーとライフサイクル
4. 性と医学
そこで、医療・福祉・心理・司法・教育・社会学などに携わる多くの研究者、専門家、臨床家が職域・職種を超えて集い、「性とこころ」に関する実践知を交換し議論し合うことにより、我が国の「性とこころ」に関連する諸問題への対策や発展を目指す学術団体として、日本「性とこころ」関連問題学会を設立するものであります。
ご賛同くださる多くの方々のご参加を期待しております。
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