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日本「性とこころ」関連問題学会 第12回学術研究大会

大会長よりご挨拶greeting


大会長 斉藤章佳(大船榎本クリニック)

第12回日本「性とこころ」関連問題学会学術記念大会開催にあたって

大船榎本クリニック精神保健福祉部長
斉藤章佳

 この度、第12回大会の大会長を務める貴重な機会をいただいたことに感謝しています。
 今大会のテーマは『子どもの生とセクシュアリティ〜大人は現代の子どもたちの性とどう向き合うのか?』です。私はこの学会に創立記念大会から実行委員長として携わる中で、いつか「子どもと性(包括的性教育)」について取り上げたいと考えていました。
2019
年に私自身としては3冊目の単著である『小児性愛という病−それは、愛ではない』(ブックマン社)を発刊し、ますますその思いは強くなりました。そんな中、コロナ禍になって3年目の2023年という節目の年の大会長のお話を榎本理事長からいただき、すぐさま今回のテーマを決めました。

 本大会では「小児性犯罪」「射精道」「家庭内性虐待」「包括的性教育」「トラウマインフォームドケア」など幅広く生とセクシュアリティに関するトピックスを扱います。2022年に発表された世界経済フォーラム(WEF:World Economic Forum)による「ジェンダーギャップ指数(The Global Gender Gap Report )」は、日本が146か国中116位に甘んじたというニュースは記憶に新しいところです。日本が他の先進国から大きく後退している理由の一つは、女性の政治参加度の低さでした。これは世界最低水準だと評価されています。政治に限らず、世界基準から見た我が国のジェンダー格差は深刻です。我々が生まれ育った国、日本はこのまま世界から取り残されていく存在でいいのでしょうか?

 我が国は「男尊女卑依存症社会」です。
 「男尊女卑依存症社会」という言葉は、2019年に発売された『さよなら!ハラスメント』(亜紀書房)の中で、私と公開講座の講師である小島慶子さんとの対談の中で偶然生まれた造語です。女性も男性も、社会から期待された「有害な男らしさ」や「有害な女らしさ」に過剰適応し、それが苦しいのにも関わらず手放せない状態をいいます。このことは、私自身が性犯罪やDVの加害者臨床に長年取り組み続ける中で、いわゆる「加害者(主に男性)」といわれる人たちを通して実感してきました。性暴力には、この男尊女卑社会の問題が集約されています。男性が女性よりも優位でなければならないという価値観が認知の歪みを強化し、DVや性暴力を助長する原動力になっているといっても過言ではありません。
 本大会では、上記のような課題を抱えるわが国で「子どもの生とセクシュアリティ」というテーマを通して、我々大人が子どもたちに何を伝えどう向き合っていけばいいのかを考えていきたいと思います。そして、多種多様な参加者が集う本学会で他分野の人とつながり、対話する中で子どもたちの未来について皆さんと語り合いたいと思います。
 ぜひ多くの当事者も含めた関係者のご参加をお待ちしています。









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